オンラインTTSサービス比較:無料で使えるテキスト読み上げツール5選
TTSMakerからElevenLabsまで、オンラインTTSサービス5つを登録要否、無料利用量、最大文字数、モデル、ファイル保存、商用利用の観点で比較。ブラウザでローカルに動くDORODORAのTTSもあわせて紹介します。
動画のナレーション、朗読コンテンツ、案内アナウンス、配信の投げ銭通知など、声が必要になる場面は意外と多くあります。収録環境やナレーターを用意しなくても、テキストから音声を作れるオンラインTTS(Text to Speech)は、そんなときに最も手早い解決策です。
ただ、サービスごとに登録の要否や無料利用量、提供モデル、商用利用の条件がバラバラで、名前だけで選ぶのは難しいものです。この記事では、代表的なオンラインTTSサービス5つを、実際に使ううえで重要なポイントから一つずつ見ていきます。
並べてみると、クラウド型サービスは登録や文字数制限といった共通の制約を抱えていることがわかります。そこで最後に、その制約から離れた方式のツールとしてDORODORAのTTSも紹介します。クラウドサーバーで変換するのではなく、モデルファイルをブラウザにダウンロードして端末内で直接実行するツールで、オンラインTTSでありがちな不便さを自然に解消できます。
どんなTTSを選べばいい?
TTSを選ぶときに確認することは意外とシンプルです。
- 登録なしですぐ使えるか
- 無料でどれくらい使えるか
- どんなモデル・音声を提供しているか
- 生成した音声を商用利用できるか
- 結果をファイルとして保存できるか
- 一度に入力できる最大文字数はどれくらいか
以下では、各サービスをこの6つのチェックポイントとともに紹介します。
TTSMaker
TTSMakerは無料利用量が充実しているのが強みです。
- 登録: 不要
- 無料利用量: 週20,000文字(一部音声は無制限)
- 最大文字数: 1回1,000文字(Proは20,000文字以上)
- モデル・音声: 言語ごとに多数のAI音声
- ファイル保存: MP3・WAV・OGG・AAC・OPUSでダウンロード
- 商用利用: 可能(クレジット表記も不要)
最大の利点は商用利用の権利です。生成された音声に対して100%の商用利用権が付与され、出典表記も強制されないため、YouTubeやTikTok、ポッドキャストにそのまま使えます。速度やピッチ、音量の調整、文間のポーズ挿入、背景音楽(BGM)の合成といった設定も充実しています。
注意事項
- 生成された音声は30分で自動削除されるため、すぐにダウンロードする必要があります。
- 一部の細かい設定はPro専用です。
長文を定期的に音声化する必要があるクリエイターにとって、堅実な第一候補です。
TTSFree
TTSFreeはログインなしで変換を始められます。
- 登録: 無料変換は不要
- 無料利用量: ゲストは1日50回(登録すると月500,000文字)
- 最大文字数: 1回500文字(登録すると2,000文字)
- モデル・音声: Google・Microsoftのニューラル系、140言語700以上の音声
- ファイル保存: MP3でダウンロード
- 商用利用: 可能
GoogleとMicrosoftの最新ニューラル技術ベースの音声を採用していると謳うだけあって、発音はくっきりとして安定しています。WavenetやNeural2のような上位グレードの音声も一部無料で開放されています。速度やピッチ、音量の調整、SSML、背景音楽の追加にも対応しています。
注意事項
- プレミアム音声は有料プランが対象です。
- 生成されたファイルは24時間以内に削除されます。
短い一文を最も手早く音声にしたいときに、軽く使える選択肢です。
Luvvoice
Luvvoiceは音声の選択肢が広いのが強みです。
- 登録: 無料利用可能(ログインで機能拡張)
- 無料利用量: 月20,000文字
- 最大文字数: 1回3,000文字(有料のログインユーザーは20,000文字)
- モデル・音声: 70言語200以上の音声+カスタムボイス
- ファイル保存: MP3でダウンロード
- 商用利用: Premiumプランに含まれる
目立つ機能はファイル変換です。PDFやTXTファイルをアップロードして丸ごと音声に変換できるため、長文の記事や原稿を朗読ファイルにする際に便利です。速度やピッチの調整は標準で提供され、ログインユーザーは文間のポーズ挿入機能も使えます。最近は個性的なカスタムボイスのマーケットも運営されています。
注意事項
- 商用利用権はPremiumプランに紐づいているため、用途に応じてプランを確認する必要があります。
- 生成された音声は72時間のみ保持されます。
ドキュメント読み上げのように分量の多い作業に特に向いています。
TTS.ai
TTS.aiは少し毛色が違います。単一のモデルを売るのではなく、オープンソースのモデルを一箇所に集めたプラットフォームです。
- 登録: 無料モデルは不要
- 無料利用量: 1日5,000文字(登録すると月10,000文字+ボーナス15,000文字)
- 最大文字数: 1回500文字(登録すると5,000文字)
- モデル・音声: オープンソースモデル36以上、音声314以上、55以上の言語
- ファイル保存: WAVでダウンロード(内蔵コンバーターでMP3などに変換可能)
- 商用利用: 可能
Kokoro、Piper、MeloTTSのような軽量モデルから、ChatterboxやGPT-SoVITSのようなボイスクローン対応モデルまで揃っているため、同じ文章を複数モデルで変換して比較できます。OpenAI互換のAPIも無料プランから開放されており、開発者にとっても使いやすいです。
注意事項
- 対応言語や文字あたりの消費量はモデルによって異なります。
- 本格的に使うなら月額$9からの有料プランを検討することになります。
「複数のTTSモデルを直接比較したい」というニーズにぴったりです。
ElevenLabs
ElevenLabsは音質が圧倒的なサービスです。
- 登録: 必要(無料プランあり)
- 無料利用量: 月10,000クレジット(約10分相当)
- 最大文字数: モデルにより異なる(Eleven v3は5,000文字、Multilingual v2は10,000文字)
- モデル・音声: Eleven v3、Multilingual v2、Flash v2.5、Turbo v2.5/音声11,000以上
- ファイル保存: MP3・WAVでダウンロード
- 商用利用: 有料プランのみ可能(無料はクレジット表記が必要)
感情や文脈を理解して話し方を調整すると謳うほど自然さが高く、1分程度のサンプルで声を複製するインスタントボイスクローンも提供されています。32以上の言語に対応しています(Eleven v3では70以上)。
注意事項
- 商用利用やボイスクローンは有料プラン($5〜$6/月以上)からです。
- クレジットの消費が早いため、長文ではコスト計算が必要です。
仕上がりの音質が成果を左右する商用プロジェクトなら、まず検討する価値があります。
オンラインTTSに共通する惜しい点
5つのサービスを並べてみると、それぞれに明確な長所がある一方で、構造的に似た特徴も見えてきます。
- 入力したテキストが音声変換のためにサーバーへ送信される。
- 週間・月間の文字数クォータがあるため、繰り返しのテストには負担がかかる場合がある。
- 結果ファイルの保持期間が短く(30分〜72時間)、すぐに保存する必要がある。
多くの場合は大きな問題になりませんが、センシティブな内容を読み上げたいときや、同じ文章をモデルごとに何十回もテストしたいときには、この構造が引っかかることがあります。
そんなときは、発想を少し変えて、ブラウザ内で動くTTSを使ってみるのも一案です。
DORODORAのTTS
DORODORAが提供するTTSも、オープンソースモデルを使っている点ではTTS.aiと似ています。ただ、変換をクラウドサーバーで処理するのではなく、モデルファイルをブラウザにダウンロードして端末内で直接実行します。
同じチェックポイントで整理すると以下のようになります。
- 登録: 不要
- 無料利用量: 制限なし
- 最大文字数: 1回1,000文字
- モデル・音声: 下記のローカルモデル4種
- ファイル保存: WAVでダウンロード
- 商用利用: 可能
そのため、入力したテキストや生成された音声がDORODORAのサーバーに送信されることはなく、文字数クォータを気にする必要もありません。アクセスするだけですぐに使え、作成した音声はWAVファイルとして保存して商用にも活用できます。
モデル構成
- SuperTonic — 399MB・音声10種・31言語以上
- Pocket — 199MB・音声8種・英語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語
- Kokoro — 92MB・音声28種・英語
- Kitten — 28MB・音声8種・英語
SuperTonicは31以上の言語をカバーしているため、多言語で使う配信やコンテンツも一つのツールでテストできます。
Pocketモデルにはボイスクローンのオプションもあります。ノイズの少ない1〜3秒の音声ファイルをアップロードすると、その声のままTTSを生成でき、カスタムボイスはブラウザに保存されて次回アクセス時にも再利用できます。
そのほか、生成された音声を素早くかわいらしいキャラクター音声のように変えるAnimaleseエフェクト(トグル)にも対応しています。
どんな人に合う?
- 投げ銭通知用のAI音声を配信に載せる前に試聴したい配信者
- 文章が外部サーバーに送信されるのが気になる方
- 文字数クォータを気にせずモデルや音声を自由に比較したい方
- 結果をWAVで保存して編集にそのまま使いたいクリエイター
一方で、モデルファイルの初回ダウンロード(28MB〜399MB)が必要なことや、一部モデルが英語専用である点は考慮が必要です。
シーン別の組み合わせ
実際には一つにこだわるよりも、用途ごとに使い分けるのがおすすめです。
長文・ドキュメントの朗読
Luvvoiceのファイル変換やTTSMakerの余裕ある週間クォータが役立ちます。原稿を丸ごと音声化したいときに効率的です。
商用プロジェクトのナレーション
仕上がりの品質が成果を左右するならElevenLabsの有料プランが定番です。無料で済ませたいなら、商用利用を明確に許可しているTTSMaker、TTS.ai、DORODORAの組み合わせでカバーできます。
モデル比較と実験
TTS.aiでクラウドのオープンソースモデルを比較し、DORODORAのTTSでブラウザローカルのモデルの質感を比較すると、候補を素早く絞り込めます。
投げ銭通知の準備
投げ銭メッセージをAIの声で読ませるには、実際に聞いたときの自然さを確認する過程が大切です。DORODORAのTTSでモデルと音声の組み合わせを選んだあと、DORODORAコンソールのTTS設定と連携させると流れがスムーズです。Voice Cloning TTSにも対応しているので、自分の声で投げ銭メッセージを読ませることも可能です。
FAQ
完全無料で商用利用もできるのはどこ?
TTSMaker、TTS.ai、DORODORAが該当します。ElevenLabsとLuvvoiceは商用利用権が有料プランに紐づいているため、用途に応じてプランを確認してください。
登録なしですぐ使えるのは?
TTSFreeとTTS.ai(無料モデル)、DORODORAは登録なしですぐに変換を始められます。
入力したテキストがサーバーに送信されないのは?
DORODORAだけです。モデルをブラウザにダウンロードして端末内で処理するため、テキストや生成された音声がサーバーに送信されることはありません。他のクラウドサービスは変換のためにテキストをサーバーに送信します。
投げ銭通知のTTSはどう準備すればいい?
DORODORAのTTSで気に入ったモデルと音声をまず探してみてください。その後、DORODORAコンソールでTTSをオンにすると、投げ銭メッセージがAIの声で読み上げられ、OBSのブラウザソースで配信画面に通知を表示できます。
執筆日時点の参考情報
この記事は2026年8月26日時点の各サービス公開ページに基づいて作成しています。無料利用量や音声数、商用利用の条件はサービスの方針によりいつでも変わる可能性があるため、実際に使用する前に最新情報をご確認ください。
- TTSMaker: https://ttsmaker.com/ja
- TTSFree: https://ttsfree.com/jp
- Luvvoice: https://luvvoice.com/ja
- TTS.ai: https://tts.ai/
- ElevenLabs Text to Speech: https://elevenlabs.io/text-to-speech
- DORODORA TTS: https://dorodora.com/playground
DORODORAが提供するモデルの商用利用
DORODORAのTTSで実行される4つのモデルは、いずれも公開されたオープンソースプロジェクトを基にしています。生成された音声の商用利用可否を、各原プロジェクトの観点から整理すると以下のようになります。
- SuperTonic(Supertone):コードはMIT、モデル重みはOpenRAIL-Mです。商用利用は可能で、帰属表示の要件や悪用禁止などの利用制限が伴います。
- Pocket(Kyutai):ボイスごとに由来とライセンスが異なります。CC0やCC BY 4.0のように商用利用できるボイスがある一方で、Expressoデータセット由来のボイスはCC BY-NC 4.0で非商用に限定されています。
DORODORAはこのうち商用利用できるボイスのみを提供しているため、追加確認なしで収益化コンテンツにすぐ使えます。 - Kokoro(hexgrad):重みがApache 2.0で公開されているため、商用利用の制約はありません。
- KittenTTS(KittenML):Apache 2.0で公開されているため、商用利用の制約はありません。
まとめると、4つのモデルはいずれも商用利用に制約がありません。一方でCustomボイスで自分の声をクローンして使う場合には、他人のデータのライセンス問題は生じません。
いずれのモデルでも、同意のない他人の声の複製や欺瞞的な用途は禁止されているため、結果を公開したり収益化したりする前に、各モデルとボイスの最新ライセンスを改めて確認すると安心です。
まとめ
オンラインTTSの選択肢はすでに十分に広がっています。利用量と設定の自由度ならTTSMaker、登録なしの手早さならTTSFree、ドキュメント読み上げならLuvvoice、モデル実験ならTTS.ai、最高音質ならElevenLabsと、それぞれに強みがあります。
そこに「サーバー送信なし、クォータなし、登録なし」という条件まで求めるなら、ブラウザでローカルに動くDORODORAが良い補助になります。無料で商用利用も可能なため、投げ銭通知の声を選んだり、コンテンツに使う音声が必要になったりしたときに活用してみてください。
dorodora.com/playgroundですぐにTTSを体験できます。